【身にまとうアート】
ハンサムなマフラーの店では、ウール、シルク、コットンなどの主に天然素材でマフラーを作っています。
ほとんどのマフラーは、他には全く同じ柄の無い一点ものです。しっかりと計算して準備した経糸に対して、色合いや組み合わせを見ながら横に糸を入れていくので、パレットに並べた色で絵を描く感覚に似ています。
最初に決めたデザインに忠実に織るとき以上にその時の感覚というライブ感が加わって、実用的なものでありながら一本一本がアートにもなっていると感じる時があります。
織り物は、最初に色や柄、サイズなどのデザインを決め、必要な糸の量や縦糸の本数等を計算します。
物によっては、最後まで計算通りにち密な作業が続く場合もあります。織機に縦糸をかけるまではデザインに基づいた計算と地道な作業が大切ですが、マフラーなどは、よこ糸を入れていく段階では最初に決めたデザインよりもその時の感覚を大事にしています。草木染めは同じ植物を使ってもその時々で染まる色が違うことが多いので、同じあかね色、桜の色、玉ねぎの色といっても全く同じ色ではありません。実際に織りながら今ある色を合わせ、その時に良いと思う色を重ねていくほうが、作っていて楽しい、素敵なものができると思っています。
植物から得られる色、経糸と緯糸の無限の組み合わせ。
色の交差から生まれる身にまとうことができるアートです。
だいたいの場合、同じように経糸をかけても、全く同じ柄のものはほとんどできません。
一期一会、自分の感覚に合うマフラーやストール、ショールとの出会いがあるかもしれません。アートなマフラーで、記憶に残る印象的なハンサムスタイルに。