シルクについて

シルクについて

 シルクというのは、蚕という蛾の一種が作るマユからとれる繊維です。言わずと知れた高級素材で美しいだけでなく、静電気が起きにくいとか、肌に良いなど様々な効果があると言われています。

 一口にシルクといっても、繭からどのようにして糸を引き出すかによって、違う性質の糸になります。細かく言えば何種類かあるのですが、大きく分けると2通りになります。一つは、蚕が吐き出した糸の通りに糸を引き出していく方法。もう一つは、球体の繭を煮て柔らかくして広げ、綿のような繊維の状態にして、そこから糸を引き出す方法です。前者は何本かの糸をまとめて丈夫な糸を作るのですが、太さが均一でつややかな糸になります。後者は、ホワホワの綿状の絹の繊維を撚りをかけながら引き出していく方法なので、太さが均一ではなく、太いところと細いところがある糸になります。

 絹糸は大きく2種類にわけられます。一つは、繭から直接糸を引き出したもの(製糸)。本糸、玉糸、キビソ系、ビス糸(蛹肌)等(特殊な例としてずり出し糸があります)。もう一つは、繭をいったん真綿にして、真綿から糸を引き出したもの。手紬糸(てつむぎ糸)、手紡糸(てほうし)、水引き真綿糸、空引真綿糸等があります。

月刊染織α NO.17 「絹糸の事典 清水千代」より

 真直ぐでつややかな糸は、織ると光沢のあるつややかな布になります。一方、真綿から紡いだつむぎ糸は、太さが均一でない糸を織り重ねていくので、ところどころコブがあるような素朴な風合いの布になります。

 一種類の糸で織ることもありますが、数種類の糸を混ぜて織ることもあります。それで布の艶や、丈夫さ、肌触り、風合いなどを決めていくのです。

 つむぎ糸の柔らかで優しい雰囲気が好きなせいか、個性的な糸に惹かれるためか、ハンサムなマフラーの店ではつむぎ糸を使ったシルクのマフラーが多いです。つむぎ糸だけで織ったものだけでなく、真直ぐな糸につむぎ糸を合わせて織ったものもあり、それらは光沢があるおしゃれな雰囲気と、つむぎ糸の柔らかく素朴な雰囲気が共存したストールになります。

 シルクのストールは、薄手でとても軽やかです。肌にいいと言われるくらい優しい肌触りで、チクチクすることもほぼありません。静電気も起きにくいと言われています。草木染でも色がしっかりと染まるので、植物の美しい色を楽しむことができます。

 ウールやコットンのものに比べるとぐっとおしゃれ感が増すので、一見素朴な趣の布であっても、ドレスアップした時に使っていただいても素敵です。光沢のあるもの、マットな質感のものなど、いろいろな雰囲気のストールがありますので、襟巻きのチクチクが苦手な方や、重いものは肩がこるという方、普段使いにもシルクのストールおすすめです。

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