裂き織りについて

裂き織りについて

ハンサムなマフラーの店 草木の色と水の彩では、マフラー等とあわせて、インテリアファブリックも製作販売しています。

その中で特に種類も多く、沢山作っているものが裂き織りの商品です。


裂き織りは、布をテープ状に裂いたり切ったりしたものを緯糸として布を織る方法で、厚手の丈夫な布ができることが特徴です。昔、木綿や絹の布が貴重だった時代に、ボロボロになった布を再生させる知恵として、主に東北や新潟などの棉の栽培が難しい寒冷地で盛んに作られていました。


穴が空いたり擦り切れた布でも使い切ることができる、そして、元の布の面影が織り地にほんのりと現れる、意図しない模様の面白さが魅力的です。ぼろ織りとも呼ばれますが、私は「布の命を使い切る」という気持ちや、何より裂き織り布自体の美しさに惹かれるのです。

購入した新しい布で裂き織りをする方もいらっしゃるとは思いますが、私どもの作るものは、基本的にはデッドストックの布や、端切れ、古着、古着物などが材料です。時には購入することもあるのですが、だいたいは捨てられる運命にあるものたちを使っています。古着などでも、きちんと洗って、清潔感に問題ないようにしています。また、古着の方が繊維が柔らかくなっていて、裂き織りにした時に良い感じに仕上がる気がします。何より、布を再生させる技としての裂き織りの精神に共感しているのかもしれません。

裂き織りの布を見た方が、このように再生できるのならと言って、家に眠っていたお着物や布を分けてくださることも多いです。中には良いものなのに未使用で、ハサミを入れるのがはばかられるものも。端切れでない新しい布や着物を裂き織りにするのは、なんとなく申し訳ない気持ちになるのです。


使われずに集まってくる布たちを、また、新たに魅力あるものへと生まれ変わらせることができるのが裂き織りの良いところ。


昔の人にとっては必要に迫られた知恵ですが、今はアップサイクルとか、SDGsとか、サスティナブルなどの文脈でもお話ししていきたいと思っています。


美しい布を作ること、そして、その魅力をいろいろな角度で伝えていけたらいいなと思いっています。

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