棉はプランターでも育てることができます。種が手に入ったら、ぜひお庭やプランターに蒔いてみてください。
5月に種を蒔くと夏には黄色い花が、秋にはホワホワの実を楽しむことができます。育てる時の注意点と、よく聞かれる質問をまとめてみました。
よくある質問Q&A
Q.種はいつ蒔くの?
A.ゴールデンウィーク明けから梅雨が始まるまでの間に蒔いてください。
棉(わた)は暑い地域の植物なので、気温が低いと発芽しません。5月の連休中はまだ寒いこともあるので、連休が明けて、気温が十分上がってから種まきをします。お住まいの地域によって、またその年によって気候がちがうので、この時期を目安に様子を見て種まきをしてください。
Q.日本中、どこでも育てられるの?
A.冷涼な気候の地域は育ちにくいです。福島県辺りまでは育つようです。
もともとが暑い地域の植物なので、寒い地域では育ちにくいようです。福島県の方に種を分けたことがあり、そちらでは育てることができたと聞いています。
Q.大きくならない。
A.種を蒔いて、梅雨の間くらいまではあまり大きくなりません。
その時期は、地下で根っこが伸びる時期だそうです。梅雨が明けるとぐんぐん伸びてきます。
Q.虫に食われた!
A.がんばって取り除いてあげて。
適切な殺虫剤を使う方法もあるけれど、家で楽しむくらいの株数であれば、できれば無農薬で育てたいですよね。発生しやすい虫について、取り除き方をお伝えします。
〇ナメクジ&ダンゴムシ
発芽直後の双葉が出る頃に、柔らかい葉っぱを食べてしまいます。軸だけになった新芽はそのあと枯れたしまうことが多く、育ちません。見つけたらこまめに取り除きます。
ナメクジは夜に出てくることが多いので、夜の間だけ、芽のところに紙コップをかぶせて守ったり、割りばしなどでつまんでよけたりします。また、ナメクジは紙コップなどの容器にビールを入れておくとそこに集まるそうです。銅の上を渡れないので、銅のテープや銅のもので芽を守ることができるとも聞いたことがあります。
ダンゴムシは、こまめにチェックして鉢の外に移動させています。
〇ハマキムシ
葉っぱがくるんと丸まって、中に細かい黒い粒粒状のものが見えたらハマキムシです。油断するとどんどん広がるので、見つけたら葉っぱごと取り除きます。
〇カイガラムシ
茎や、実のガク周りなどに粉っぽい白い粒粒が見えたら、カイガラムシです。物理的な方法としては、ガムテープでペタペタと地道に取り除きます。付き方が似た虫であるアブラムシは、薄めた牛乳をスプレーボトルに入れて吹きかけると牛乳が固まって窒息すると聞いたことがあります。もしかしたらカイガラムシもその方法でも駆除できるかもしれません。いずれにせよ、見つけたら広がらないうちに早めに対処するのが大事です。樹液を吸って植物を弱めてしまいます。
Q.花が咲かない!
A.水のやりすぎかもしれません。
どちらかというと乾燥した地域で育つので、水をやり過ぎると葉っぱばかり茂ってつぼみが付かず、結果収穫が少なくなってしまいます。畑で育てる時には水はけをよくしてやることが大切です。田んぼだったところを棉畑にしたところ、土壌に含まれる水分が多すぎたためか、ぐんぐん伸びて葉が茂りはしたのですが、花があまり咲かずに終わってしまったという話を聞いたことがあります。
鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水をあげるようにします。水をやり過ぎないように注意してください。
Q.プランターでも育てられる?
A.プランターでも育てることができます。
植え替えが難しいので、最初から大きめの鉢に種を蒔いたほうが失敗しにくいです。土は、市販の野菜や花の鉢植え用の土で大丈夫。もし小さい鉢に蒔いてから植え替える時には、根鉢を崩さないように気を付けて植え替えてください。
Q.実は何かに使える?
A.そのまま切ってドライフラワーにする。リースの飾りにする。糸を紡いでアクセサリーや小物を作る。織物をするなど、楽しむ方法はいろいろあります。
こちらのブログでも、収穫した綿の実をご家庭でも楽しめる方法を、いくつか紹介しています。
綿の実そのままをドライフラワー、リースなどにして楽しむ方法、種を外して糸にする方法、紡いだ糸を利用する方法など、下のリンクからご覧いただくことができます。参考にしていただければ幸いです。
綿の実(コットンボール)を楽しもう。 – ハンサムなマフラーの店 草木の色と水の彩 (kusaki-mizu.com)
棉の実(コットンボール)を楽しもう②糸紡ぎ – ハンサムなマフラーの店 草木の色と水の彩 (kusaki-mizu.com)
棉の実(コットンボール)を楽しもう③紡いだ糸の利用方法 – ハンサムなマフラーの店 草木の色と水の彩 (kusaki-mizu.com)
Q.その他に気を付けることは?
A.種の保管方法と、違う種類を育てたい時について注意点があります。
棉の種は古くなると急激に発芽率が落ちてしまいます。種は早めに蒔ききるようにしましょう。
保管する時は、種の呼吸を妨げないように紙の袋に入れて保管してください。
棉は違う種類でも近くに植えると交雑します。違う種類の棉を近くで育てる時には、性質が混ざってしまう可能性があります。種類を維持したい時には気を付けてください。例えば、茶色い繊維の茶綿と白い綿を近くに植えると、茶綿が白っぽくなってしまうことがあるのです。母が聞いたところによると、300メートルは離すようにということです。
一般家庭では現実的ではないので、花が咲いている時だけプランターを隔離するか、隔年で蒔くなど家の事情に合わせて対策してみてください。そんなにシビアに考えなくてもよい場合は、混ざってもそれはそれでOKです。
Q.【綿】と【棉】、どちらが正解?
A.繊維の綿は糸へん、植物の「わた」は木へんです。
文章に書く時、綿と棉を区別して書いています。普段目にするほわほわの繊維の状態は糸へんの綿、植物として地面から生えている棉は木へん。そう思ってみると、うまく考えられています。知ってしまったら使い分けずにいられない⁈
こちらのQ&Aは、このように言われているよという伝え聞いたことや、母や自分の経験や、本で調べたことを基にしています。地域によって、環境によって違うことがあるかもしれません。もし、足りないことや間違っていること、質問などございましたら、どうぞコメント欄に書き込んでださい。このページが綿の知恵袋になっていったらいいなと思います。