NHKドラマ とと姉ちゃんの子どもの頃の着物の帯

2016年6月23日

これも帯みたいに見える。 小物用に織った母の裂き織 

NHKの朝のドラマ「とと姉ちゃん」。
毎日ではないけれどよく見ています。
春ごろ、その時はたまたま実家の母が来ていて、娘も家にいて、3人でテレビを見ていました。
3姉妹がまだ子どもの頃の話で、子どもたちはかわいらしい着物姿でした。
母曰く「あの帯、裂き織じゃないかしら。」
見ると確かにこどもたちの着物の帯は裂き織のようです。
裂き織は、古くなった着物を紐状に裂いて、それを横糸として織り込んだ織物です。布が貴重だった時代の人が、穴が開いたり線維が弱くなった着物を再利用するための知恵と技術でした。
ドラマの中では、女の子たちの着物姿も、日常着としての着物なわけで、裂き織の帯をしていることで家族のつつましい暮らし方がイメージされます。画面に登場するあらゆるものが、物語の世界を作り上げているということに改めて感心しました。
同時に感心したのは、母の目の付け所。
ドラマの内容よりも何よりも裂き織の帯に反応するとは。
一緒に見ていた娘も「そこ?」
と、おばあちゃんの目の付け所に驚いていました。
自分でも作っているものだし、いつも配色のこととか、利用方法とかいろいろ考えているので、自然なことなのだろうとも思うのですが。
先日、小物を作ろうと思って、母から預かっている裂き織の布を出してみたら、とと姉ちゃんの帯みたい。
これはもともとコースター用にと織っていたので、途中で切れるように裂き織部分とそうでない部分が交互に入っているのですが、機から下したままの状態なので、まさに帯みたいな感じです。
こうやって裂き織の布を並べてみると、実は廃品利用なわけですが、単なるボロでさみしい印象を与えるものではなく、とても魅力的な布になって再度暮らしの役に立つということに改めて感動します。布の命を使い切るための知恵と言われる裂き織ですが、昔の人の知恵であると同時にこれからも必要になる知恵のような気もするのです。
資源を大事にするという点でも、経済的という点でも、時間と手間と愛情をかけてものを作るという点でも。

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草木染めの魔法つかい®

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染・織・描【草木の色と水の彩】中の人

ネットショップ【ハンサムなマフラーの店】店主

母親が染織家で幼いころより草木染めや手織りが生活の中にありました。今は母に習いながら、自分も草木染めや手織り、糸紡ぎなどにはまる日々です。

母に巻き込まれながら蓄積してきた、染織まわりのいろいろなことについて発信中。ちょっととっつきにくいイメージの草木染めや手織りを、身近に感じてもらって、楽しんでいただきたいと思っています。

染織&縫製・デザイン・イラスト・販売その他担当。

猫好き。

草木の色と水の彩(くさきのいろとみずのいろ)は、草木染などで自然の色を扱う人=「草木の色」と、水彩で絵を描く人=「水の彩(いろ)」が一緒に作るお店という意味を込めた屋号です。

糸紡ぎの実演などの場で、物語みたいとか魔法みたいと言われることと、染織の様子を改めて見ると確かに魔法使いみたいと思ったことから、【草木染の魔法使い®】を肩書に。物語のように楽しんでいただけたら嬉しいです。

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