新作のコースター。裂き織り=リアルにエコです。 

2018年9月7日

同じ白い経糸に、緯糸として入れる布によって全く違う雰囲気に仕上がります。

落ち葉の色や秋の終わりの空の色を思い出すような色合いです。

端っこだけに付いているふさふさ。ここがかわいくて好きです。

 引き続き、コースター製作中です。
 一枚ずつ切り離し、切り口にホツレ止めを付けて、さらにロックミシンをかけ、縫い代を3つ折りにしてミシンで縫います。見えなくなってしまうところですが、長く使えるように丈夫に仕上げます。
 経糸が白い方は、緯糸に布団の側用の布の端切れを多く使っています。結構色が華やかですが、経糸に隠れる分、元の布の色より少し落ち着いて、使い易い色合いになっていると思います。
 経糸が黄土色のものは、横に入れている布に、元々私のチェックのシャツだったものが一部分使われています。すごく色がきれいで、着心地が良くて、とても好きだったので、着られなくなっても捨てられないでいたのです。襟が傷んでしまったのですが、他はとてもきれいな状態だったので、私自身も何かにリフォームしようかと思っていたのです。ずっと死蔵品状態だったので、今回満を持して?母に提供。有効利用してもらいました。
 元々は、裂き織りというものは、布が貴重だった時代に、古くなった布を再利用するための昔の人たちの知恵でした。
 
 今は、端切れや何かを作った時の残り布、何かを作るつもりだった布、着る機会のなかった服や着物を死蔵しておくよりは、ということで裂き織りの材料に使ったりします。それでも、なんでもない布や服や着物に鋏を入れるのはなかなか心苦しいです。その点、きちんと来た服や何かの用途で使った布を再利用するというのは、また使えるものになるという喜びがあり、裂き織りの本来の意義に沿っているようで、気持ちの上でも一番しっくりとします。
 以前に、ご近所の方に着物や着物の生地をいただいて、その生地を使って母が裂き織で布を織り、私がバッグに仕立ててプレゼントしたことがありました。年齢を重ねて着る機会が無くなってしまった着物や、使いきれなかった布は、死蔵品となっていたとしてもその方にとっては思い出深いものです。形を変えて、普段に使えるものになって、とても喜んでいただきました。
 古いものは苦手で好きではない方もいらっしゃるので、そのような方にはあまり好まれないかもしれません。私自身は、きちんと洗濯してあれば古い布でも材料として全く問題ないと思いますし、逆に今、手に入りにくいものであったり、素材がとても良いものであったり、柄が魅力的なものであったり、着物など特に、実は高価なものも使う機会があったりします。そして、なぜか化学繊維よりも綿や絹や麻などの自然な素材の方が作りやすく使い易いのです。
 今は着るものも食べるものも豊富にある世の中に見えますが、裂き織りのように、物の命をきちんと使い切るような知恵は今の時代にも必要な気がします。そして、たくさんのものを消費している今の生活の中で、上手に再利用して気持ちよく使えるものがあることが、私には心地よく感じます。それになんといっても、布として魅力的だと思うので、いろいろ活用したら面白そうです。
 裂き織りの魅力にまだまだはまっていきそうです。
 
 これらのコースターは、近々iichi、minne、イベントなどに出品する予定です。

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草木染めの魔法つかい®

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染・織・描【草木の色と水の彩】中の人

ネットショップ【ハンサムなマフラーの店】店主

母親が染織家で幼いころより草木染めや手織りが生活の中にありました。今は母に習いながら、自分も草木染めや手織り、糸紡ぎなどにはまる日々です。

母に巻き込まれながら蓄積してきた、染織まわりのいろいろなことについて発信中。ちょっととっつきにくいイメージの草木染めや手織りを、身近に感じてもらって、楽しんでいただきたいと思っています。

染織&縫製・デザイン・イラスト・販売その他担当。

猫好き。

草木の色と水の彩(くさきのいろとみずのいろ)は、草木染などで自然の色を扱う人=「草木の色」と、水彩で絵を描く人=「水の彩(いろ)」が一緒に作るお店という意味を込めた屋号です。

糸紡ぎの実演などの場で、物語みたいとか魔法みたいと言われることと、染織の様子を改めて見ると確かに魔法使いみたいと思ったことから、【草木染の魔法使い®】を肩書に。物語のように楽しんでいただけたら嬉しいです。

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