つなぐ、つなぐ。母の手。

布を織った後の残り糸。それを一本ずつつないでゆきます。

違う色のものもランダムに、つないで一本の糸にします。

つなぎ糸を緯糸に織り込んで、又布に。

母が、時々する作業。
機織り機にかけたたて糸は、布を織り終わると、糸を切って機から外します。機には、まだたて糸が残っていて、その糸に新たな糸をつないでまた織ることもありますが、最終的に数十センチくらいの残り糸が出ます。その、残った糸を一本ずつつないでゆき、また一本の糸にして、それを横糸にして布を織るのです。
これは、母がテレビを見ながらとか、隙間の時間に時々している作業です。子どものころから、よく目にしていましたが、単調で、根気のいる作業で、横目で見ながら自分には無理!と思っていました。
大変な作業ですが、母は、わりと楽しそうにやっています。
日々少しずつ少しずつ繋いでいって、いつの間にかたくさんになって、やっと、また一枚の布になります。
昔は、糸を作るのが大変だったから、もっと言うと、棉や麻などを栽培するのも蚕を飼うのも大変だったから、切れ端のような糸でも無駄にできないということだったのでしょう。とことん使いきる知恵の一端です。今は、そんなに切実な事情はないけれど、糸を無駄にできない気持ちと、出来上がるものが面白いということがモチベーションになっています。
写真は、このようにして作ったつなぎ糸を緯糸に使った布です。たて糸は絹、緯糸は木綿で、つなぎ糸ではない糸も使っています。つなぎ糸を使うことで、つなぎ目が布目に現れて、面白い表情を出しています。色も、ランダムに変化して、表情豊かな面白い布ができました。
以前に同じようにして織った布で、母は自分用にコートを作りました。軽くて、春先や秋口のお出かけにちょうど良く、着易そうです。
こんなに素敵なものができるんだから、捨てられないよねえ。一見ゴミみたいに見えちゃうけど、宝の山だねえ、などと母とは話しています。
以前は絶対自分には無理、と思っていたことが魅力的に見えて、自分もやってみようという気持ちになりました。
写真の布は、コートになる予定。型紙は布に合わせて作っていただきました。私が縫うことになっています。はさみを入れるの、緊張します。出来上がったら、また見ていただきたいです。

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