綿の実(コットンボール)を楽しもう。

  -自宅でプランター栽培することもできる棉(わた)。
   収穫した実を手軽に楽む方法を紹介します。

 秋にほわほわの白い実をつける棉。プランターでも育てることができるので、ご自宅で栽培されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。我が家でも、種を分けていただいたご縁から毎年プランターで育てており、夏は黄色い花を、秋にはかわいい実を楽しんでいます。
 
 時々イベントで、手織物作品の販売とともに、綿から糸を紡ぐ体験や棉の実から種を取る体験ができるコーナーを出店しているのですが、できた綿の実をどうしたらよいかということをよく質問されます。実はかわいいけれど、種を取るのも大変だし、使い道がわからなくて持て余してしまう方が多いようです。
 
 そこで、収穫した綿の実を楽しむ方法をいくつかご紹介したいと思います。「自宅で楽しむ」ということを目指しているので、できるだけ手に入りやすい道具や材料を使って、手軽に試せる方法を考えてみました。
 一鉢から収穫できる綿はほんの少しですが、種まきから成長を見守ってきた愛しい存在です。楽しみ方の例として参考にしていただけたら幸いです。

1.ドライフラワーにする。

〇必要なもの:紐・ビン・籠など 

 一番シンプルなのは、そのまま飾るドライフラワー。実のついたままの枝を適当な長さに切り、紐でくくって風通しの良いところに吊るしておきます。お好みですが、葉っぱは乾くとパリパリになって扱いづらいので、実がよく見えるようにあらかじめ適当に間引いたほうが良いかと思います。葉が落ちてから刈り取ると葉を取り除く手間はないのですが、お好みで葉と実の良いバランスを決めていただいたらよいと思います。以前、瓶や籠に入れてそのまま置いておいたら自然に乾燥して、何年かその状態で飾ってありました。

2.瓶に入れて飾る。

〇必要なもの:蓋つきの瓶

 ドライフラワーは植物の形そのものを楽しむことができますが、ほこりの巣になりやすいことが欠点です。実だけ摘み取り、瓶に入れて飾っておくと、ほこりが付かずに次に何かに使う時のためのストックにもなります。葉は乾くとパリパリになって砕けるので、使う予定があるときには殻から外して白い実だけストックしたほうがきれいに保存できます。もちろん殻やガクを付けたまま瓶に入れても標本みたいでかわいいです。小さい瓶に、1つか2つだけでも、かわいく飾ることができます。

3.リースの飾りとして使う。

〇必要なもの:リース台(蔓や枝で自作してもよい)・飾りになるもの(葉っぱ・枝・木の実・リボンなどお好みで)・ワイヤー

 リースの飾りとして使うというのはいかがでしょうか。存在感があるので、一つか2つしか収穫できなかった時でも立派に役立ちます。たくさん使って綿が主役のリースもかわいいです。写真中央の綿の実の上に見える花びらのようなものは綿の実の殻です。面白い形なので殻だけでも飾りになります。

 リースの土台となる輪っかは、家で木の枝や蔓を切った時にくるくるとまとめて作ったり、100円ショップや花材屋さん、雑貨屋さんなどで販売しているものを購入することもできます。紙や布で作った輪っかに貼り付けたり縫い付けてもO.K.。そのあたりは手に入りやすいものを工夫して利用するのが良いと思います。

写真の向かって左側が綿の実の殻。右はまだ殻に綿の実がついているもの。

 棉の実に、土台に取り付けるためのワイヤーを付けます。ワイヤーは細めのものを使うと表から見ても目立ちません。写真は家にあったおそらく造花用のワイヤー?ですが、普通の針金でも大丈夫です。実の間に入るようにワイヤーを渡して後ろ側でくるくるとワイヤーをまとめます。ワイヤーは実の間に隠れるので、表から見たらほとんど見えなくなります。殻だけのものは、軸が長ければ軸にワイヤーを巻き付けます。ワイヤーが外れそうなら接着剤で固定したり巻き方を工夫して、ワイヤーが取れにくいようにしっかり付けておきます。クリスマス用のリースでは金色や縁だけ白く色を付けた松ぼっくりを使ったりしています。お好みで殻に色を付けると、自然な雰囲気とはまた一味違った華やかなバリエーションを楽しむことができます。

4.実から種を外す方法。
 ー昔の道具または身近なものを使って

〇使う道具:綿繰り機 または櫛(くし)、歯磨き粉のチューブを絞る道具、ハンドカーダーなど

 綿を利用するにあたって最初の難関が種を取ることです。綿の繊維がしっかりと種にくっついているため、素手で取るのははなかなか大変です。種を取る専用の道具があるのですが、手に入りにくかったり高価なものだったりするので、手に入りやすいもので代用する方法を併せてご紹介します。

 綿なので、もちろんいわゆる綿として使うことができます。布団やクッション、ぬいぐるみの中に入っている白くてほわほわのアレです。しかし、収穫した棉の実には種が入っています。一つの実には殻の中に3~5個(品種による?)の白い繊維の房があり、それぞれの房に7個ほどの種が入っています。入っているといっても、綿の繊維にしっかりとくっついており、一つ一つ外していくのは結構大変な作業です。

昔の道具=綿繰り機

 下の写真は綿繰り機という綿の実から種を外す道具です。ハンドルを回しながら綿の実を回転するローラーの間に通すと、ローラーの間を綿の繊維だけが通り抜け、隙間を通れない種が手前側に残って繊維から切り離されて落ちる仕組みになっています。

綿繰り機という実から種を取る道具。ハンドルを回しながら綿の実をローラーの間に通していくと、繊維だけがローラーの間を通り、種が手前に落ちる。

 写真のものは古いのですが、専門の道具を扱っているお店では新品や電動の綿繰り機も販売されてるところがあります。なかなか高価な場合もありますので、身近なもので代用できる方法を考えてみました。試した中では②のチューブ絞りが使いやすかったです。

①くしを使って種を取る

 綿繰り機は、ローラーの間を綿の繊維だけが通り抜け、隙間を通れない種が手前側に残って繊維から切り離されて落ちる仕組みになっているわけですが、同様に綿の繊維だけが通り、種が通れない隙間があれば綿毛と種が分離できます。そこで、「くし」を使って試してみました。何種類か試したのですが、くしの歯がしっかりしているものが使いやすいです。歯が柔らかいものは折れる危険があるので、歯が折れるまで力を入れない、手を傷つけないように気を付けて作業をしてください。家にあるものでできるという点で、一番手軽な方法かと思います。 

「くし」と同様に、種が通らない幅のスリットがある道具なら使えるのではないかと思い、100円ショップで見つけたものをいくつか試してみました。その中で、使いやすかったものを紹介します。

②歯磨き粉のチューブを絞る道具

 100円ショップでも購入できる歯磨き粉のチューブを絞る道具です。
 
 最初は、中の回転するブルーの棒に綿を入れて、本体にセットした後ブルーの棒を回転させたらできるかな?と思ったのですが、綿の繊維が短いので中に繊維が引き込まれて一緒に回転してしまい、うまくいきませんでした。でも、ブルーの棒は中の空洞が綿の種の大きさにちょうど良く、素材も丈夫なので、直接スリットから綿の繊維を引っ張ると思いのほかスムーズに種を取ることができました。「くし」を使うよりもこちらのほうが作業しやすかったです。

 棒の空洞に「くし」の時と同様に綿の種を少しむき出して入れ、スリットから繊維が外に出るようにします。そして棒をしっかりと持って、なるべく根元に近いほうの繊維を持って引いていくと種が棒の中に残り、繊維と種を分けることができます。種をいくつか続けて入れると同時に数個の種を外すことができます。

③ウールカーダーまたはペット用のブラシ

 ハンドカーダーは羊毛を紡ぐ前段階の作業で、混ぜたり毛の流れをそろえたりするときに使う道具です。ハンドカーダーかどうかは定かではないのですが、以前に同じような形の道具を使って綿の種を外している動画を見たことがあります。外国の方で、かなりの量をこの方法で作業していました。ハンドカーダーは羊毛や糸紡ぎの道具を販売しているお店で購入することができます。
 同じものを2つ用意していただいて(たぶん2つ一組で売られていると思うので、一組用意していただいて)、一つの上に綿の実を置き、もう一つで繊維を梳かすように何度も撫でていくと次第に種が繊維から外れていくという方法です。
 ハンドカーダーは結構大きいことと、あまり使わないのであればこのためにわざわざ購入するというのもためらわれるので、(このためだけにお金をかけるのであれば綿繰り機を購入したほうが良いと思うので)、代用品を探したところ、100円ショップでも手に入るペットの毛をとかす道具がハンドカーダーに似ていることを発見しました。比べてみると、大きさはだいぶ小さいのですが、道具についているブラシの歯?の部分はほぼ同じ形状です。両方ともへの字に曲がった細い金属の針金のようなものがたくさん土台に生えているような形なのですが、ペット用のブラシには、動物のお肌に優しいようにゴムか樹脂のような何かで細いい金属の先端をガードしてあります。そのためか、なんとなく棉の実にも優しく触れられているような感じがします。小さくて軽いので、私は本格的なハンドカーダーよりもペット用ブラシのほうが使いやすかったです。
 
 ハンドカーダーはそもそも綿の種を取るための道具ではないので、種など硬いものを間に入れて押し付けたりすると歯が痛む可能性があります。それなりに値が張る道具なので、道具を痛めたくない場合は試さないほうが良いと思います。
 
 そして、この方法だと種のまわりに繊維がわりと多く残ってしまうのと、外した繊維が短くなってしまうような気がします。その次に何に使うかによって大丈夫な場合とそうでない場合があるので注意が必要です。布団やぬいぐるみの中に入れる詰め物として使う場合にはその次の手順である綿打ちをかねてこの方法で大丈夫そうですが、糸を紡ぐ場合にはあまり繊維が短くなりすぎると紡ぎにくいので、この方法はお勧めできません。

 以上、いくつかの例を紹介させていただきましたが、ご参考になるものがあればうれしいです。綿の種を取ることに関しては、糸を紡ぐとしたら一番良いのはやはり綿繰り機を使うことです。それでも少量だったら綿繰り機でなくても、素手で取るよりはやりやすい方法があるよ、ということをお伝えしたくて書きました。これ以外にも身近な道具で、硬めの素材でスリットがあるものであればもっと適したものがあるかもしれないので、試していただきたいと思います。手に入りやすい道具や材料で、いろいろと試しながら綿を楽しんでいただきたいと思っています。

 外した種は次の年の5月の連休を過ぎたころ、十分に気温が上がった時期に蒔くと1週間から10日ほどで発芽します。綿の種は古くなると発芽率が非常に低くなるそうです。できるだけ新しいうちに(遅くても2~3年以内が理想です)蒔くと、また次の世代の花と実を楽しむことができます。

 長くなりましたので、第一弾はここまでにします。追って、糸の紡ぎ方や、その糸を使って作るものなど、種を外した後の綿の利用方法をまとめていきたいと思います。(つづく)

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