棉の実(コットンボール)を楽しもう③紡いだ糸の利用方法

 前回、簡単な道具を作って糸を紡ぐ方法を紹介しました。たくさん収穫できて糸を紡ぐことができれば大きな布が織れるのですが、家のプランターで育てた棉から収穫できる量はあまり多くないと思います。自分で紡いだ大切な糸を使って、少量でも作ることができるものをいくつか紹介したいと思います。(市販の綿や糸も同様にできます。)

1.アクセサリーを作ってみよう

慣れてくると、細く均一な糸を紡ぐことができるようになりますが、最初は細かったり太かったり。上の写真では、上の糸は少し慣れてから紡いだもの、下の糸は練習したての頃に紡いだものです。上手くなくても、それが味わい深いものです。まずは太いところがあるからこそできるものをご紹介します。

 大きめの穴のビーズを用意します。糸が細めの場合は穴は小さくても大丈夫です。糸が通るくらいの大きさの穴ということで考えてください。今回はシルバーのガラスビーズを使いますが、好きな色で作ってみてください。糸が通る穴が開いていれば、自宅にあるものを利用したり、お好きな色で作ってみると楽しいと思います。

 紡いだ糸にビーズを通していきます。太いところで止めるとビーズが移動しにくく安定します。

10個くらい通したところです。間隔はランダムで大丈夫です。

指に糸を巻き取り、端を押さえます。そして余分な糸を切ります。

リボンやひもなどを挟んで留める金具(リボン留め、ワニ口などと呼ばれます)を用意します。金具の口に丸めてひとまとめにした糸の片側を挟みます。そして、しっかりと口を閉じます。金具によっては手で絞めるのが大変なものもあります。その場合はペンチなどを使ってしっかりと押さえて口を閉じます。金具が手に入らないようであれば、タッセルのように上のほうを糸で括ってまとめます。
 もちろん、紡いだ糸だけでも良いのですが、ビーズや金具を使うことで華やかさが出たり、パーツを変えることでバリエーションを楽しむことができます。

 自分で紡いだ糸はまさに自分にとっての宝物なので、量は少しだけでもこのように糸が主役になるような使い方をしてみるのはいかがでしょうか。お友達との話の種にもなるかもしれませんし、パーツの一つと考えれば、いろいろな使い方ができて楽しいと思います。

2.簡単な織機でコースターを織ってみよう 

 布を織るというのは、縦糸の間に横糸を交互に通していくことです。大きな布を織るときには大きな道具=機織り機が必要ですが、小さい布であれば身近なものを利用して作った織機でも織ることができます。まずは10㎝四方くらいの布を目標に、コースターを作ってみましょう。

〇木枠で織機を作る。

木枠を用意します。木材の棒を組み合わせて自作してもよいし、100円ショップの写真立ての枠部分を利用してもよいです。上の写真は100円ショップのものです。
紙の箱を利用する方法もありますが、枠がしっかりとしていたほうが織りやすいです。今回は木枠の方法を紹介します。
 
短辺に1㎝の間隔で釘を打ちます。両サイドが対象になるように釘を打ってください。

〇木枠に縦糸をセットする

縦糸を織機にセットします。紡いだ糸は切れやすいので、縦糸は市販の太めの糸のほうが織りやすいと思います。糸の端に輪を作り、端の釘にかけます。上下の釘に順番に糸を渡して、縦方向に糸を張ります。糸が緩まないようにひっぱりながら張ります

〇緯糸を入れていく

①経糸を交互にまたぎながら横に紙を通します。2段目は、1段目と逆に経糸をまたぎながら横に紙を通します。紙も本当はある程度しっかりしていたほうがやりやすいので、家ではよく広告は新聞紙などを細長く折って作った紙を利用しています。(これは写真にしたときに糸が交互に通っているのが見やすいように写した説明用の写真です。)2枚通したら両端をマスキングテープなどで固定します。端に紙を通すのは、最後に織機から外した時に、端の始末をするために必要な糸の長さを確保するためです。

②杼・シャトル(緯糸を通す道具)を準備します。厚紙に糸を巻いてその糸巻きのままでもできますが、下の写真のような細長いものに巻いておくと作業がやりやすいです。下の写真で作ったシャトルは、竹のフォーク2本を上下反対向きに合わせて、真ん中をテープで止めたものです。

紡いだ糸を杼(ひ・シャトル)=に巻き取ります。
 準備した杼(シャトル)に紡いだ糸を巻き取っていきます。フォークの溝に糸を挟むように巻いていきます。あまりたくさん糸を巻くと経糸の間を通りにくくなるので、ある程度(3回分くらい)紡いだらコマから杼に巻き取るようにします。(必要な分だけ紡ぐ前提ですが、たくさん一気に紡いで必要な分だけ杼に巻き取ってももちろん大丈夫です。)

1段目に緯(よこ)糸を入れます。
 いよいよ紡いだ糸を織り込んでいきます。まず、杼から糸を30センチくらい伸ばしておきます。1段目に入れた紙と同じ糸をまたぐように、杼を交互に経糸にくぐらせて横に糸をとおします。糸の端は5㎝くらいはみ出させておきます。1段通したら、フォークや櫛(杼でもよいが、別のものでも)を使って糸を手前に引き寄せます。

⑤端に残した糸は2段目に織り込みます。1段目とは互い違いになるように、経糸に糸をくぐらせます。そして、杼も折り返して2段目に緯糸をいれます。これも、1段目とは互い違いになるように緯糸を入れていきます。右側から来た端の部分と、左側から来た糸が同じように経糸をくぐっていることを確認して、フォークで手前に引き寄せます。杼が通しにくい時には、定規を通したい糸と同じ場所にあらかじめ通し、その定規を立てると縦糸が一本おきに持ち上がり、杼を通しやすくなります。

⑥縦糸を交互にまたぐように、横に糸をに入れていきます。次の段は前の段と互い違いになるように経(たて)糸をまたいで緯(よこ)糸を入れます。横に糸を一段入れるごとにフォークで糸を手前に寄せます。それを目標の長さまで繰り返していきます。

■糸を足すときには数㎝重ねて一緒に織り込みます。途中で色を変えることもできます。写真は、染めた糸をところどころに入れてみたものです。

■撚りが甘い場合、途中で綿に戻ってしまうこともありますが、気にせず織って大丈夫。それも味と思えます。希望の長さまで織り進めます。最後は糸を折り返して布の中ほどで糸を切ると、端っこで糸をとめた時よりも端がほつれにくく安定すると思います。

■最初に入れた紙を外したところです。このまま飾ってもかわいいです。

釘から糸を外し、しあげをします。
 釘にかけてある糸を外していきます。織はじめと織終わりの糸が浮いてくるので、形が崩れないように気を付けてください。経糸の両端の輪になっているところを切って、経糸を3本ずつまとめます。3本のうち1本で、他の2本を束ねて糸の根元で結びます。半端の糸は2本でまとめます。最後に房の長さをそろえてカットして出来上がりです!!

 枠の大きさや長さを変えるといろいろなものが作れます。下の写真は、細長い板にくぎを打ち、縦糸をかけるときにあらかじめボタンを通しました。縦糸の端の糸は長めに残して、最後に三つ編みにしてまとめています。手首に巻けるくらいの長さで、バングルのつもりで作ってみました。長さを変えれば髪飾りやほかのものにも応用できると思います。

 織機があればいろいろなものを織ることができます。高価で、場所も取るので初心者にはハードルが高く感じる織物ですが、織機も含め道具から手作りすることもその気になれば可能です。昔の人は、自分の体に合わせて道具を作ったと聞いていますので、DIYが得意な方は道具も自作されてはいかがでしょう。どうしても作りにくいもの、作れないものだけ購入することにしたらだいぶお手軽な投資で始めることができると思います。
 もちろん、本格的に道具をそろえるほうが、使いやすいし織物に集中できるとは思うので、自分の状況に合わせていろいろチャレンジしてみていただきたいと思います。

 以上、育てて収穫した綿の楽しみ方をいくつか紹介させていただきました。最近参加していたゴールデンウイークイベントが中止になりましたので、よく質問されることやお話しできることを急遽まとめてみました。直接お会いする機会がなくなってしまいましたが、ここに書くことで、もしかしたらお会いできるはずだった方々に届くかもしれないと思いました。収穫はしたものの、綿を持て余しておられる方、興味を持っていただいた方の参考になれば幸いです。

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