色から考えるマフラー選びのワンポイント。&自然とつながる草木染めの魔法。マフラーにしてお届けします。

色から考えるマフラー選びのワンポイント。&自然とつながる草木染めの魔法。マフラーにしてお届けします。

2021年9月6日

「草木染めでこんなにきれいな色が出るんですね。」

 時々、嬉しい言葉をいただきます。
 
 そうなんです。優しいふんわりとした色のイメージがありますが、草木染めでも結構しっかりと鮮やかな色を出すことができます。

 そして、鮮やかな色でも自然からもらった色なので、けばけばしい派手さではなく、上品な華やかさを感じることができる色合いです。

【色から考えるマフラー選びのワンポイント】

 秋冬はコートや上着を着て出かけますが、ベージュやブラウン、ダークグリーンのアーズカラー系の色や、ブラック、グレー、ホワイトなどのモノトーン系の色が多いのではないでしょうか。全体的にちょっと落ち着きすぎているかな、と感じた時には、華やかな色のマフラーをお勧めします。ファッションのワンポイントになりますし、特に茜色や黄色は顔色がよく見えて、よりお顔が映えるはずです。

 派手過ぎるかな、というくらいがちょうどいいかもしれません。茜色や黄色はそれだけみるとちょっと派手に感じるのですが、実際に使う時には、落ち着いた色のマフラーだと全体的に沈んだ感じであったり、くすんだ印象になってしまうことがあります。そして、一見派手に感じる色でも、草木染めはどこか優しい色合いなので、使ってみると違和感がないことも多いのです。
 
 子どもの頃から、母が素材違い、色違い、大きさ違いでいろいろなマフラーを作ってくれていたおかげで、様々なマフラーを使ってきました。自分の経験やいろいろな方からのご意見、ご感想から、秋冬のウールのマフラーでおすすめの色を紹介させていただきます。


1位 茜色

 ブラック、ダークグリーン、ブラウンなど地味な色のコートが多いのですが、どの色にも違和感なく合わせられますし、顔映りがよく、明るく見えます。若いころよりも、実は年齢を重ねてからより出番が多くなった色で、年配の方にもおすすめです。意外にも、ブルーのコートに合わせた時の評判がよかったので、思いのほか許容範囲の広い、使い勝手の良い色だと思います。温かみを感じる赤(オレンジ)は秋の紅葉や冬のクリスマスやバレンタインシーズンにもぴったりです。


2位 黄色

 一口に黄色といってもいろいろな黄色があるのですが、レモンイエローから温かみのある山吹色のような黄色まで、パット周りまで明るくしてくれるような色だと思います。顔周りも明るくなりますし、アースカラーにもモノトーンにも合わせやすいです。春先にも明るいイエローのマフラーは、色自体が春らしさもあって重宝します。草木染めでいうと、玉ねぎがとてもきれいな黄色に染まります。


3位 紫色

 じつは、自分自身は特に紫が好きということはなく、紫系の色の服を買ったことはないのですが、マフラーにすると意外なほど重宝する色が紫です。紫一色も人気があります。作ると比較的すぐ売れてしまう色です。ワンポイントに紫が入っていると、カジュアルでもきれいめに見えますし、他の色が引き立ったり、上品に見えたりという効果があると感じます。シルクの薄手の紫色のショールはおしゃれをして出かけたい時の定番になっています。草木染めでいうと、ログウッドがよく使われています。


ベージュ・ブラウン系

 草木染めではベージュやブラウン系の色のバリエーションが一番多いのではないでしょうか。それ自体はとてもきれいな色なので、制作販売しているものもベージュ&ブラウン系の色は多いです。男性には、贈り物も含めて圧倒的にこちらの色合いが好まれていると思います。くるみの落ち着いた深いブラウンなど、渋くてとても素敵な色です。服にも合わせやすいと感じるのですが、単体ではなく、お手持ちの服と合わせた時のことをイメージしてお選びいただくことをお勧めします。色合いやトーンが近すぎると全体的に沈んだ雰囲気になりがちだからです。ワンポイントにしたいか、全体に溶け込ませたいかで選ぶお色が変わってくるかもしれません。 合わせやすいようで、意外と難しいのがベージュ&ブラウン系の色だと思います。ぜひ、使うシーンをイメージしてお選びいただくことをお勧めします。白いセーターなどと合わせるとマフラーの色も引き立ち、きれいにまとまると思います。



【自然とつながる草木染めの魔法】

 
 写真の標本箱に並んでいるのはすべて草木染めで染めたウールの糸です。それでもこれはほんの一部。だいたいは植物によって出る色が決まっています。胡桃は濃い茶色、茜はオレンジ、ヨモギはグリーンっぽい色などなど。それを、色を定着させたり変化させたりする媒染剤を使ったり、染め重ねることによってほしい色に近づけていくのです。
 
 おもしろいのは、同じ種類の植物で同じように染めても、必ずしも同じ色にはならないのです。それは、生えていた場所の環境によるものであったり、採取した季節によるものといわれています。なので、一度染めたことのあるリンゴの色が欲しくて、もう一度あの色を、と違う場所のリンゴの木で染めたら、全く求める色と違っていたということもよくあるのです。材料との出会いも色との出会いもご縁なんですね。なので、印象的な色は、長野のリンゴとか、城陽の梅のように場所とセットで覚えています。
 
 草木染めの糸の色は自然からの贈り物です。色からも植物を感じることができるというのは、自然とつながるための魔法のように感じます。実際、草木染めに使う植物は、薬草としても使われるものが多いようです。色だけではなく、家族の健康を願う心を感じますし、そういうものがそもそもの魔法の原点だったようです。(児童文学作家の角野栄子さんの著書 「魔女に会った」 福音館書店(角野栄子 文・写真 みやこうせい 写真) 参照)
 
 ウールやシルクは色が濃く染まるので、いろいろな植物の色をダイレクトに楽しむことができます。いろいろな色が楽しめる、標本箱のようなデザインのマフラーも作ることがあります。糸から染めて織るからできるデザインです。
 
 こちらでは、商品説明文になんという植物を使って染めたものかを載せています。まず大切なのはデザインや機能性ですが、プラスアルファで植物とのつながりを感じていただけたら、より楽しんでいただけるのではないかと思っています。
 
 少しずつショップに並べていきますので、ほぼ一期一会の色との出会いをお楽しみください。(営業再開まで今しばらくお待ちください。)マフラー、バッグ、手織の布アイテムの専門店。草木の色と水の彩(くさきのいろとみずのいろ) (kusaki-mizu.com)

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